CG映画と漫画
CGアニメ映画ってのがありますが、あれはどうなんでしょう。BOOM BOOM SATELLITESの曲が使われているということで、曽利文彦監督『ベクシル 2077年日本鎖国』を観てみた。
結論からいうと、つまらなかった。何故つまらないかといえば、まずやはりあのCG画がダメだろう。質感のない風体と不自然な動き、そして誰が描いても同じような顔になってしまうキャラクター。どこにでもあるような演出、セリフ。一企業いや一個人の野心による世界危機というSFにありがちなストーリー。まるで無個性をめざしたかのような作品。これが果たして最新作といえるのかと目を疑ってしまう。
しかし、何故CGにしたがるのだろう。米国のアニメ市場がCG化していくのは何となく分かる。あちらのコミック・アニメは子供と動物は記号化しているが、大人の人間はあくまで人間のかたちをしており、写実的なのであるから立体的に表現できるCGが好まれるのは、当然であるといえるが、日本の漫画文化は、人間を記号的に描くことに特徴があるのだし、読者もそれを受容している。だから、CGが導入される時代に入っても、日本のアニメ市場は二次元のままだ。そして、その二次元の画でこそ、作者のオリジナリティが発揮できている。米国のコミック文化は、もともと作家のオリジナリティはなく、企業として、チームとして作品を生み出すことになっているから、個々のキャラクターには個性があるが、全体として眺めた時に、みな同じ雰囲気を持っている。
そうした中で本作をみると、作画の単調さにあわせるかのような、演出・セリフ・ストーリーの単調さ、無個性が現れてきてしまう。そもそも私がSFを楽しめないタイプであることにあるのかと思われるが、面白く感じない。笑いもないし。『ピンポン』をつくった監督が一体何をしたいんだろうか。
浅野いにお『おやすみプンプン』の第2巻を読んだ。この作品、一部で人気あるようですね。新宿のTOWER RECORDで「おやすみプンプン入荷しました」というポップを先月見つけて、こういう層に人気があるのかと、分かるような驚くような気がしたが。前巻にくらべて、異常な印象が足らないのは、慣れたせいかと思うが、そこに目を奪われない分、現実的にありうべき日常を過剰な演出で描いている青春漫画の雰囲気を感じ取れるようになった。ストーリーは小学生篇から中学生篇へと移行し、章替えのところでプンプンが人間の形で描かれるのかと思わせる演出をしながら、そのままという作者の意地をみた感じがする。
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